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WordPressを別のレンタルサーバーへ移したあと、「Webサイトは表示されたのに、同じドメインのメールだけ届かない」というトラブルがあります。

原因は、WordPressのデータとメールは別に移行する必要があるためです。WordPressのファイルとデータベースをコピーしても、メールアカウント、過去のメール、DNSのMXレコード、メールソフトの設定までは自動で移るとは限りません。

この記事では、ドメインを変えずにサーバーを移行するとき、メールを止めないために確認したい順番を整理します。エックスサーバーへ移行する場合の設定先もあわせて解説します。

結論:新サーバーのメール準備を終えてからDNSを切り替える

メールを使っているサイトは、次の順番で移行します。

  1. 現在のメールアドレス、利用サービス、DNSレコードを控える
  2. 新サーバーまたは継続利用するメールサービスに必要な設定を用意する
  3. 過去メールの保存場所と移行方法を決める
  4. WordPressとメールの準備が完了してからDNSを切り替える
  5. 新旧両方のメールボックスを確認し、外部アドレスとフォームから送受信テストをする
  6. 問題がないことを確認してから旧サーバーを解約する

先にネームサーバーだけ変更すると、移行先に存在しないメールアドレスへ配送され、受信できない時間が発生する可能性があります。

WordPress簡単移行でメールも移る?

基本的には、WordPressサイトとメールを分けて考えます。

対象WordPressの移行別途確認すること
WordPress本体ファイルとデータベースを移す表示、管理画面、SSL、フォーム
メールアドレス通常は自動作成されない新しい受信先にも同じアドレスを作成する
過去のメールWordPressには含まれないPOP・IMAPと保存場所を確認して移す
メールの配送先DNS設定で決まるMXレコードとネームサーバーを確認する
送信ドメイン認証サーバーごとに設定が異なるSPF・DKIM・DMARCを確認する

エックスサーバーのWordPress簡単移行を使う具体的な操作は、WordPressをエックスサーバーへ移行する方法で解説しています。

最初に確認する3つの「移行」

「サーバー移行」と呼ばれる作業には、別の手続きが混ざりやすいため注意が必要です。

Webサーバーの移行

WordPressのファイルやデータベースを新しいサーバーへ移します。Webサイトの表示先を変更する作業です。

メールサーバーの移行

同じ独自ドメインのメールを新しいサーバーで送受信できるようにします。メールアカウント、DNS、メールソフト、過去メールを確認します。

ドメイン移管

ドメインを管理する会社を変更する手続きです。ドメイン移管と、Web・メールの接続先を変えるDNS切り替えは別です。

ドメインの管理会社を変えないサーバー移行でも、DNSの変更によってメールへ影響することがあります。

移行前にメールの利用状況を洗い出す

使用中のメールアドレス

代表アドレスだけでなく、担当者用、転送専用、フォーム送信用なども含めて一覧にします。

  • info@などの代表アドレス
  • 個人・部署ごとのアドレス
  • 転送アドレス
  • メーリングリスト
  • WordPressフォームの送信元・送信先
  • EC、予約、会員登録などの自動送信元

普段ログインしていないアドレスでも、Webサービスの本人確認やパスワード再発行に使われている場合があります。

メールをどこで受信しているか

同じドメインでも、メールがレンタルサーバーにあるとは限りません。

  • 現在のレンタルサーバー
  • Google Workspace
  • Microsoft 365
  • 別会社のメールサーバー
  • Gmailなどへの転送

外部メールサービスを継続利用する場合は、そのサービスが指定するMXレコードを新しいDNS設定にも引き継ぎます。エックスサーバーへサイトを移したからといって、メールまでエックスサーバーへ移す必要はありません。

DNSレコード

切り替え前に、少なくとも次のレコードを控えます。

  • MX
  • SPFを記載したTXT
  • DKIM
  • DMARC
  • メール用ホスト名のAまたはCNAME

値を記録するときはスクリーンショットだけでなく、コピーできる文字列でも保存しておくと比較しやすくなります。

エックスサーバーへメールを移行する手順

1. 移行先にドメインを追加する

エックスサーバーのサーバーパネルへ対象ドメインを追加します。この操作だけでは、公開中のWebサイトやメールの接続先は変わりません。

2. 必要なメールアカウントを先に作成する

DNSを切り替える前に、移行先にも現在と同じメールアドレスを作成します。

エックスサーバーでは、ドメインを追加したあと、サーバーパネルの「メールアカウント設定」から作成します。画面付きの手順はエックスサーバーでメールアドレスを作成する方法で確認できます。

パスワードは旧サーバーと同じである必要はありません。移行後に使う安全なパスワードを決め、メールソフトを設定する担当者へ安全な方法で共有します。

3. 過去メールをどう残すか決める

メールアドレスを同じ文字列で作り直しても、旧サーバーに保存された過去メールが自動で新サーバーへ移るわけではありません。

確認方法は利用状況で変わります。

現在の使い方確認したいこと
POP端末に保存済みのメールと、サーバーに残っているメールを確認する
IMAP旧サーバー上のフォルダとメールを、新しい保存先へ移す方法を決める
Webメール旧サーバー解約後に閲覧できなくなるメールを退避する
外部サービスMXレコードを維持し、サービス側の移行要否を確認する

業務メールは、端末だけに残っている場合とサーバーだけに残っている場合があります。作業前にバックアップを取り、件数の多いメールボックスはテスト用アカウントで手順を確認してください。

4. SPF・DKIM・DMARCを確認する

新しいサーバーから送信する場合は、送信元に合った認証設定が必要です。旧サーバーのSPFをそのまま残すと、新しい送信元が許可されず、迷惑メール判定や不達の原因になる可能性があります。

エックスサーバーでの確認方法は、DKIM・SPF・DMARCの設定手順で解説しています。

複数サービスから送信する場合は、SPFのTXTレコードを無計画に複数作らず、各サービスの公式手順に沿って一つの設定として整理します。

5. メールソフトの新しい接続先を用意する

エックスサーバーでは、受信・送信サーバーとしてサーバーのホスト名を使用できます。作業時点の正確なホスト名、ポート番号、暗号化方式は、サーバーパネルの「メールソフト設定」と公式マニュアルで確認してください。

メールアドレスだけが同じでも、接続先サーバーやパスワードが変われば、Mac、iPhone、Outlookなどの設定変更が必要です。

6. Webとメールの準備後にDNSを切り替える

WordPressの表示確認とメールの事前準備を終えてから、ネームサーバーまたは必要なDNSレコードを切り替えます。

DNSの情報は利用者へ一斉に切り替わるとは限りません。しばらくは旧サーバーへ届くメールと、新サーバーへ届くメールが混在する可能性を考え、両方を確認します。

7. 外部から送受信をテストする

同じドメイン内だけでテストすると、外部との配送問題を見落とすことがあります。Gmailなど別ドメインのアドレスを使い、次を確認します。

  • 外部アドレスから新しいメールアドレスへ送信する
  • 新しいメールアドレスから外部へ返信する
  • 件名と本文に日本語を含める
  • 添付ファイルを送る
  • 迷惑メールフォルダも確認する
  • WordPressのお問い合わせフォームを送信する
  • フォーム送信者への自動返信も確認する

重要なアドレスは、担当者ごとに「送信・受信・フォーム」の確認結果を残します。

サーバー移行後にメールが届かないときの確認表

症状主な確認先
受信も送信もできないメールアカウント、パスワード、接続先ホスト名、DNS
受信できるが送信できないSMTPサーバー、ポート、認証、暗号化方式
送信できるが受信できないMXレコード、メールボックス作成、容量
一部の送信者からだけ届かない旧・新サーバー両方、迷惑メール、DNS反映状況
相手の迷惑メールに入るSPF・DKIM・DMARC、送信元、本文
フォームだけ届かないWordPressの送信元、送信先、SMTP設定、認証
旧サーバーにだけ届くDNS反映状況、古いMXを参照している環境
証明書の警告が出るメールソフトのホスト名とSSL設定

新旧どちらのサーバーを見ているか分からない

メールソフトのアカウント設定で、受信・送信サーバーのホスト名を確認します。独自ドメインのホスト名を使っている場合はDNSの影響を受けるため、旧・新のどちらへ接続しているか判断しにくいことがあります。

作業中は各サーバー会社が指定するホスト名を明示して確認すると、接続先を切り分けやすくなります。

WordPressフォームだけメールが届かない

通常のメールソフトで送受信できても、WordPressからのメールだけ届かないことがあります。

フォームの送信元に存在しないアドレスや外部ドメインを設定していないか、SMTPプラグインの接続先が旧サーバーのままになっていないか確認します。送信ドメイン認証もあわせて見直してください。

一部の相手にだけ届かない

DNS切り替え直後は、相手側が古い情報を参照している可能性があります。旧サーバーをすぐに停止せず、両方の受信箱とログを確認します。

時間がたっても改善しない場合は、送信日時、送信元、宛先、エラーメールの内容を控え、サーバー会社へ問い合わせます。

旧サーバーをすぐ解約してはいけない理由

新しいWebサイトが表示された時点では、メール移行の完了を確認できません。

旧サーバーを残しておけば、DNS反映中に旧環境へ届いたメールの確認、過去メールの退避、設定ミスが見つかった場合の切り戻しができます。

少なくとも次を確認してから解約します。

  • 主要な端末で送受信できる
  • WordPressフォームの通知と自動返信が届く
  • 旧サーバーへ新しいメールが届かなくなった
  • 過去メールを必要な場所へ保存した
  • SPF・DKIM・DMARCに問題がない
  • Webサイト、SSL、管理画面も正常に動く

解約日だけでなく、自動更新の停止期限も先に確認してください。

サーバー移行とメールに関するよくある質問

メールアドレスは移行後も同じものを使えますか?

同じ独自ドメインを使い続ける場合、移行先にも同じ文字列のメールアドレスを作成できます。ただし、アカウント作成、過去メール、メールソフト、DNSは別途確認が必要です。

Webサイトだけエックスサーバーへ移し、メールはそのまま使えますか?

可能です。Google WorkspaceやMicrosoft 365、別のメールサーバーを継続利用する場合は、そのサービスのMXレコードなどを新しいDNSにも正しく設定します。

過去のメールは消えますか?

保存場所によります。端末に保存されているメールは残る場合がありますが、旧サーバー上にだけあるメールは解約後に見られなくなる可能性があります。POP・IMAPと保存場所を確認し、先にバックアップしてください。

DNS切り替え後、すぐ旧サーバーを解約できますか?

おすすめしません。DNSの反映中は旧サーバーへメールが届く可能性があり、フォームや一部端末の設定ミスも後から見つかるためです。

エックスサーバーのメール設定に必要な情報は何ですか?

メールアドレス、パスワード、受信・送信サーバー、ポート番号、暗号化方式が必要です。最新の値はサーバーパネルの「メールソフト設定」と公式マニュアルで確認してください。

まとめ

WordPressのサーバー移行では、サイトが表示されてもメール移行が終わったとは限りません。

メールを止めないためには、現在のアドレスとDNSを洗い出し、移行先のメールアカウント、過去メール、メールソフト、SPF・DKIM・DMARCを先に準備します。その後でDNSを切り替え、新旧両方の受信箱とフォームを確認してください。

エックスサーバーへ移行する場合は、契約前に現在の料金、キャンペーン、移行条件を確認できます。