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ESET VPNは、ESET HOME セキュリティのPremiumとUltimateで使えるVPNです。ウイルス対策とVPNを一つの契約にまとめられますが、購入前には「VPNへ接続すると、どの程度遅くなるのか」が気になるところです。
そこで、筆者が普段使っているMacを有線LANへ接続し、VPNなし・日本・米国Atlantaの3条件で通信速度を測りました。測定にはFast.comを使い、それぞれ3回の平均を取っています。口コミを並べるのではなく、筆者自身の契約と利用環境で確認した結果を紹介します。
先に結果をまとめると、次のとおりです。
| 接続条件 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ |
|---|---|---|---|
| VPNなし | 726.7Mbps | 623.3Mbps | 3.0ms |
| 日本 | 117.3Mbps | 413.3Mbps | 12.0ms |
| 米国Atlanta | 203.3Mbps | 90.7Mbps | 181.7ms |
VPNなしと比べると速度は低下しましたが、日本接続は平均117.3Mbps、Atlanta接続は平均203.3Mbpsでした。Web閲覧や動画視聴には十分な速度です。一方、Atlantaはレイテンシが平均181.7msまで増えたため、操作への反応速度を重視する用途には向きません。
筆者はESET VPNを、公共Wi-Fiの通信保護だけでなく、WordPressやお問い合わせフォームの海外IPブロックを確認するためにも使っています。セキュリティソフトとVPNをまとめたい方や、Webサイトを海外IPから検証したい方には使い道があります。
ESET VPNを使えるプランは、ESET HOME セキュリティの新規購入ページで現在の販売条件を確認できます。
ESET VPNの速度を測定した条件
測定条件は次のとおりです。
| 項目 | 測定内容 |
|---|---|
| 測定日 | 2026年9月2日 |
| 端末 | Mac |
| 接続方法 | 有線LAN |
| 測定サービス | Fast.com |
| 測定回数 | 各条件3回 |
| 日本の接続先 | Tokyo Shinkansen |
| 米国の接続先 | Atlanta Mountain |
| プロトコル | WireGuard |
| ポート | 443 |
動画視聴や大容量ダウンロードを止め、同じMac・回線・ブラウザで続けて測りました。結果は利用する回線、時間帯、接続先の混雑状況、プロトコルなどで変わるため、今回の数値は一つの実測例としてご覧ください。
Fast.comでは、次の数値を確認しています。
- ダウンロード: Webページ、動画、ファイルを受信する速さ
- アップロード: ファイル送信やクラウドへの保存に関わる速さ
- レイテンシ: 通信先から反応が返るまでの時間。小さい方が反応は速い
- 負荷時レイテンシ: 通信中に回線へ負荷がかかった状態の反応時間
VPNなしの速度
VPNを接続していない状態では、3回とも高速でした。
| 回数 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ | 負荷時 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 760Mbps | 610Mbps | 3ms | 7ms |
| 2回目 | 740Mbps | 620Mbps | 3ms | 6ms |
| 3回目 | 680Mbps | 640Mbps | 3ms | 7ms |
| 平均 | 726.7Mbps | 623.3Mbps | 3.0ms | 6.7ms |
3回のダウンロード速度は680~760Mbpsで、平均は726.7Mbpsです。この数値を基準として、日本とAtlantaへ接続した結果を比較します。
ESET VPNで日本へ接続した速度
ESET VPNの「Tokyo Shinkansen」へ接続し、同じ環境で3回測りました。
| 回数 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ | 負荷時 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 120Mbps | 420Mbps | 12ms | 13ms |
| 2回目 | 92Mbps | 390Mbps | 12ms | 13ms |
| 3回目 | 140Mbps | 430Mbps | 12ms | 13ms |
| 平均 | 117.3Mbps | 413.3Mbps | 12.0ms | 13.0ms |
ダウンロード平均は117.3Mbpsで、VPNなしの約16%に低下しました。ただし、一般的なWeb閲覧、動画視聴、オンライン会議で速度不足を感じにくい水準です。
レイテンシは3.0msから12.0msへ増えましたが、3回とも同じ数値でした。筆者がブラウザを操作した範囲でも、ページ表示が極端に遅いとは感じませんでした。
ESET VPNで米国Atlantaへ接続した速度
米国は、検索結果の先頭に表示された「Atlanta Mountain」へ接続しました。サーバーを途中で変更せず、3回とも同じ接続先を使っています。
| 回数 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ | 負荷時 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 190Mbps | 66Mbps | 183ms | 184ms |
| 2回目 | 180Mbps | 96Mbps | 184ms | 185ms |
| 3回目 | 240Mbps | 110Mbps | 178ms | 184ms |
| 平均 | 203.3Mbps | 90.7Mbps | 181.7ms | 184.3ms |
ダウンロード平均は203.3Mbpsで、今回の測定では日本接続より速い結果でした。接続先までの距離が遠いからといって、必ずダウンロード速度も遅くなるわけではありません。サーバーの混雑や通信経路によって結果は変わります。
一方、レイテンシは平均181.7msまで増えました。Webページや動画は利用できる速度でしたが、オンラインゲーム、リアルタイムの遠隔操作など、反応の速さが重要な用途では遅延を感じる可能性があります。
アップロード平均も90.7Mbpsまで下がりました。大容量ファイルを海外の接続先経由で送信する場合は、完了までの時間が長くなる可能性があります。
ESET VPNを実際に使って感じたメリット
接続操作が分かりやすい
ESET VPNは、接続先を選んで中央の電源ボタンを押すと接続できます。接続中は画面が緑色になり、接続時間、プロトコル、ポート、接続先が表示されます。
インストールから接続先の変更、キルスイッチなどの設定は、ESET VPNの使い方を実画面で解説した記事で紹介しています。
日本接続は通常利用に十分な速度だった
日本接続では、VPNなしより速度が低下したものの、平均117.3Mbpsでした。筆者がWebサイトの閲覧や管理画面の確認に使う範囲では、VPNを理由に作業を止めるほどの遅さではありません。
ただし、今回の測定は高速な有線回線が基準です。元の回線速度が遅い環境や、混雑する時間帯でも同じ結果になるとは限りません。
海外IPからWebサイトを確認できる
筆者にとって最も実用的なのは、Webサイトへ海外からアクセスした状態を再現できることです。
お問い合わせフォームへの海外スパムに困っているクライアントサイトで海外IPブロックを導入したあと、ESET VPNで海外へ接続し、本当に制限されるか確認できます。
実際にAtlantaへ接続してエックスサーバー上のWordPressへアクセスしたところ、国外アクセス制限の拒否画面が表示されました。検証手順と画面は、ESET VPNでWordPressの国外アクセス制限を確認した記事をご覧ください。
ESETのセキュリティ製品と契約をまとめられる
ESET VPNは単体販売ではなく、ESET HOME セキュリティの対応プランに含まれています。すでにESETのウイルス対策を使う予定があり、VPNも必要な方は契約をまとめられます。
VPNを1~3台で使うならPremium、4台以上やより多くの接続国が必要ならUltimateが候補です。料金や機能差は、ESET HOME セキュリティの3プラン比較で整理しています。
ESET VPNのデメリットと注意点
VPNだけを単体購入できない
ESET VPNは、VPNだけを契約するサービスではありません。VPNだけを安く使いたい方には、単体のVPNサービスが合う可能性があります。
反対に、ウイルス対策とVPNの両方が必要なら、サービスや支払いを一つにまとめられる点はメリットです。
接続中は通信速度やレイテンシが変わる
今回の測定では、日本接続のダウンロード平均が117.3Mbps、Atlanta接続のレイテンシが181.7msでした。
VPNでは通信を暗号化し、選択したサーバーを経由するため、VPNなしと同じ速度や反応時間は保証されません。速度を重視する場合は近い接続先を選び、遅いときは別のサーバーも試してください。
一部のWebサイトでアクセスを制限されることがある
VPN接続中は、通常と異なる国・IPアドレスからのアクセスとして扱われます。通販、決済、ログイン画面、WordPress管理画面などで、追加認証やアクセス制限が発生する場合があります。
利用目的が終わったらVPNを切断し、アクセスできないときは最初にVPNの状態を確認しましょう。
プランによってVPNの台数と接続国が異なる
2026年9月時点では、EssentialではESET VPNを利用できません。Premiumは最大3台・最大40か国、Ultimateは契約内容に応じて最大10台・71か国です。
セキュリティ製品を5台版で購入しても、PremiumのVPNまで5台で使えるわけではありません。購入前に、VPNを利用する端末数を確認してください。
ESET VPNが向いている人・向かない人
ESET VPNが向いているのは、次のような方です。
- ESETのウイルス対策とVPNをまとめて使いたい
- カフェ、ホテル、空港などの公共Wi-Fiを利用する
- 日本や海外の接続先を選びたい
- WordPressやWebサービスの海外IP制限を確認したい
- VPNを1~3台、または家族を含む複数端末で使いたい
一方、次のような方は慎重に選びましょう。
- VPNだけを低価格で契約したい
- 海外サーバー経由で応答速度が重要なゲームや遠隔操作を行う
- VPN接続中も通常回線と同じ速度を求める
- Essentialを購入する予定で、VPNも必要としている
ESET VPNの評判・速度に関するよくある質問
ESET VPNは遅いですか?
VPNなしより速度は低下しましたが、日本接続は平均117.3Mbps、Atlanta接続は平均203.3Mbpsでした。今回の環境ではWeb閲覧や動画視聴に十分な速度です。ただし、回線や接続先によって結果は変わります。
ESET VPNで動画を視聴できますか?
通信速度だけを見れば、今回の日本・Atlanta接続は動画視聴に必要な水準を上回っています。ただし、動画サービス側がVPN経由のアクセスを制限する場合があり、すべてのサービスや地域での視聴を保証するものではありません。
ESET VPNはオンラインゲームに向いていますか?
日本接続のレイテンシは平均12.0msでしたが、Atlanta接続は平均181.7msでした。遠い接続先では遅延が増えるため、対戦ゲームなど反応速度が重要な用途では近いサーバーを選ぶ方がよいでしょう。
PremiumとUltimateのどちらを選べばよいですか?
VPNを1~3台で使い、主要な接続先で足りるならPremiumから検討できます。4台以上でVPNを使う場合や、接続国数、個人情報漏えい監視などの上位機能を重視する場合はUltimateが候補です。
ESET VPNだけを購入できますか?
2026年9月時点では単体購入できません。ESET HOME セキュリティのPremiumまたはUltimateに含まれています。
まとめ
ESET VPNをMacと有線LANで測定したところ、日本接続は平均117.3Mbps、Atlanta接続は平均203.3Mbpsでした。VPNなしより速度は低下しましたが、Web閲覧や動画視聴には十分な結果です。
一方、Atlanta接続はレイテンシが平均181.7msまで増えました。海外IPからWebサイトを確認する用途には使えますが、反応速度が重要な用途では接続先の距離に注意が必要です。
筆者の用途では、WordPressやお問い合わせフォームの海外IPブロックを実際に確認できる点が大きなメリットです。セキュリティソフトとVPNをまとめたい方にも候補になります。
購入前には、VPNを使う端末数と必要な接続国を確認してください。ESET HOME セキュリティの新規購入ページで現在の対象製品と販売条件を確認できます。