有料版ACF PROの機能と基本的な使い方の紹介
WordPressの投稿や固定ページの入力項目をカスタマイズできるプラグイン、Advanced Custom Fields(ACF)の有料版、ACF PROで提供される全フィールドタイプの機能と基本的な使い方を紹介します。
無料版でも十分な機能提供がされているACFですが、有料版ではさらに優れた機能が提供されます。
ACF PROについて
Advanced Custom Fields(ACF)とは
Advanced Custom Fields(ACF)とは、WordPressの投稿やカスタム投稿、固定ページなどにカスタムフィールドを追加して入力項目をカスタマイズできるプラグインです。
通常タイトルや本文などしか用意されていないWordPressの編集画面に、追加のテキストや画像、チェックボックスなどの選択肢、リンクなどの入力項目をカスタムフィールドとして追加することができます。
200万以上のWebサイトで利用されているプラグインで、評価の平均値も最大の5つ星と、非常に多くのユーザーに信頼されていることが分かります。
Advanced Custom Fieldsの基本的な使い方と全フィールドタイプの紹介
ACF PRO(有料版)でできること
- 繰り返し自由に増減できるフィールドを追加できる
- ブロックエディタにオリジナルのブロックを追加できる
- 編集画面で用途に合わせてフィールドグループを選択できる
- 独立したオプションページにカスタムフィールドを追加できる
- ギャラリーを作成できる
- 既存のフィールドグループを流用してフィールドグループを追加できる
有料版のACF PROを導入することで、効率良く自由で柔軟なコンテンツ制作を行うことができるようになります。
ACF PROの料金について
ACFは無料版でも十分すぎるほど多くの機能を使用することができますが、有料版のACF PROではさらに優れた機能が提供されています。
有料版のACF PROはサブスクリプションモデルとなっていて、年間49ドルのパーソナルプラン、年間149ドルのフリーランサープラン、年間249ドルのエージェンシープランがあります。
以前は購入する料金プランとなっていましたが、2020年からサブスクリプションモデルに変更しています。
サブスクリプションモデル以前の買い切り版(購入版)を利用していた方は、現在もそのままライセンスキーを有効化してACF PROを利用することができます。
Advanced Custom Fields version 6.0について
2022年9月21日にAdvanced Custom Fields version 6.0がリリースされました。UIの大幅な変更、繰り返しフィールドにページネーション機能の追加などが主なアップデート内容です。
ACF PROについて
ACF PROの購入方法
ACF PROは通常のWordPressプラグインページからのインストールではなく、ACF公式サイトで購入とプラグインファイルをダウンロードを行い、WordPressでインストールを行います。
無料版のACFを使用している場合、WordPress管理画面内のカスタムフィールドページにて、有料版へのアップグレードの案内が出されています。
ACF公式サイトで購入する場合、公式サイトのヘッダーナビゲーション右側「Purchase」をクリックします。
プラン選択の画面に移るので、購入するプランの「Buy Now」をクリックします。
「Buy Now」をクリックするとカート画面に移ります。
カート画面にて購入するACF PROのプランを確認し、「Proceed to checkout」をクリックし、購入画面に進みます。
この先は、請求先情報(名前、メールアドレス、住所)の入力と、支払い方法入力を行い、購入が完了します。
支払い方法は、クレジットカード(Visa・American Express・MasterCard・Discover・JCB・Diners Club)のみです。※2022年10月時点
ACF PROの購入が完了すると、アカウントページが作成されます。
購入完了メールにACFのアカウントページへのログイン案内が記載されています。※公式サイトのヘッダーナビゲーション右側「Account」からログインできるようになります。
ACF PROのインストール方法
ACF PROの購入が完了したら、プラグインのインストールを行います。
アカウントページにログインし、「Licenses」をクリックしてライセンスページに移動します。
「Downloads」よりバージョンを選択して(最新版推奨)、「Download」ボタンをクリックすると、「advanced-custom-fields-pro.zip」というプラグインのzipファイルがダウンロードできます。
WordPressの管理画面にて、プラグインの新規追加ページへ移動し、ACF PROのライセンスページでダウンロードしたプラグインのアップロードを行います。
ACF PROのインストール完了後は、ライセンスキーの登録を行います。※初回時はライセンスキー入力へ案内されますが、ACFの設定、アップデートページにて確認することができます。
プラグイン更新時など、定期的にライセンスキー認証が必要になります。
ACFのアカウントページ→ライセンスページ内、「Manage activations」をクリックすると、プラグインのアクティベーション状況を確認することができます。
ちなみに、ACF PROの各プランでは、製品用と開発用で認証を行うことができます。例えば、パーソナルプランの場合、1つまでWebサイトを登録することができますが、加えて1つの開発環境でのACF PROの使用が認められます。
「XAMPP(ザンプ)」や「MAMP(マンプ)」を利用したローカル環境で開発を行う場合にACF PROを使用することができます。
ACF PROの機能紹介
ACF繰り返しフィールド(Repeater Field)
ACF PROで提供される機能の一つ、繰り返しフィールドとは、編集画面上でテキストや画像、チェックボックスなどのカスタムフィールドを繰り返して自由に増減させて使用することができるフィールドタイプです。
飲食店サイトのメニューやよくある質問ページのQ&Aなど、形式がある程度決まっていて、数が変動するような場合に活用することができます。
テキストだけ画像だけといったシンプルな繰り返しや、テキストと画像を組み合わせたグループを繰り返すことも可能です。
ACF繰り返しフィールドの出力方法
<?php if( have_rows('faq') ): ?>
<?php while ( have_rows('faq') ) : the_row(); ?>
<dl>
<dt><?php the_sub_field('question'); ?></dt>
<dd><?php the_sub_field('answer'); ?></dd>
</dl>
<?php endwhile; ?>
<?php endif; ?>
よくある質問ページでQ&Aを実装したい場合に、上記の記述で出力を行うことができます。
繰り返しフィールドでは、繰り返して使用したいフィールドタイプはサブフィールドとして扱うため、出力も「the_sub_field」となります。
ACF Blocks
ACF Blockとは、WordPressのブロックエディタにオリジナルのブロックを追加できる機能です。
WordPressの通常のブロックでも、十分な機能が提供されていますが、デフォルトとは別にオリジナルのスタイルを適用させたり、レイアウトで構成されたブロックを作成して使用することができます。
例えば、「引用」や「吹き出し」などをオリジナルで実装したい場合に活用できます。
作成方法などについて本記事では省略させていただきますが、「functions.php」でACF Blocksのベースを構築→ACF PROの設定画面でブロックで使用したいフィールドタイプを作成→ブロックを出力するためのテンプレートファイルを作成することで、WordPressの編集画面で使用したオリジナルのブロックがサイト上に出力されます。
柔軟コンテンツ(Flexible Content Field)
柔軟コンテンツとは、編集画面で用途に合わせてフィールドグループを選択できる機能です。
繰り返しフィールドと同様にフィールドタイプを繰り返して使用することができますが、柔軟コンテンツでは、繰り返すサブフィールドが固定されない点が主な違いです。
繰り返しフィールドでは、フィールドグループ作成時に、テキストや画像をサブフィールドとして登録すると形式が固定されますが、柔軟コンテンツでは、テキストと画像の組み合わせの他に、ラジオボタンとテキストの組み合わせ、チェックボックスと画像の組み合わせを用意し、編集画面で自由に選択して使用することができます。
オプションページ
ACF PROでは、WordPressの投稿や固定ページ以外に、独立したページをオプションページとして作成し、そのオプションページにカスタムフィールドを追加できる機能が提供されています。
例えば、固定ページにカスタムフィールドを追加したいけど、編集者や投稿者に固定ページの編集権限を付与したくない場合に、独立したオプションページを用意し、編集者や投稿者が自由に編集できるカスタムフィールドを設置することができます。
本記事では、オプションページの作成方法などについては省略させていただきますが、「functions.php」でオプションページを構築し、ACF PROの設定画面でオプションページで使用したいフィールドグループを作成することで、オプションページでカスタムフィールドを使用することができます。
ACF 6.2がリリースされ、これまで必要だったfunctions.phpへの記述が必要なくなり、ACFを利用してオプションページを作成することができるようになりました。
ACFのオプションページの作成方法などについてはこちらの記事をご覧ください。
ギャラリーフィールド(Gallery Field)
ギャラリーフィールドとは、文字通りギャラリーをカスタムフィールドとして使用することができます。
設定については画像フィールドと同様に、返り値を配列・URL・IDで設定することができ、編集画面での画像登録時はギャラリー設定機能として繰り返して自由に増減させて登録することができます。
※繰り返しフィールドで、サブフィールドを画像フィールドで登録することで、ギャラリーフィールドと同様の出力を行うことができますが、ギャラリーフィールドでは編集画面での仕様が画像の登録(ギャラリー作成)に特化されています。
クローンフィールド(Clone field)
クローンフィールドとは、既存のフィールドグループを流用してフィールドグループを追加できる機能です。
固定ページや投稿ごとにフィールドグループを作るのではなく、細かくコンテンツごとにフィールドグループを管理したい場合に活用することができます。
その他ACF PROに関する情報
本記事では、ACF PROで提供されている機能と基本的な使い方を紹介してきました。このパートでは、その他にACF PROを使用する上で役に立つ情報を紹介します。
無料版のACFからの移行方法
元々ACFを使用していて、有料版へアップグレードする場合があります。無料版から有料版へ切り替える方法を紹介します。
- 有料版のACF PROを購入
- ACFアカウントページからACF PROのプラグインファイルをダウンロード
- WordPressプラグイン新規追加ページにてACF PROのプラグインファイルをアップロード
- ACF PROの有効化を行う前に無料版を無効化
- ACF PROを有効化
- ACF PROのデータベースアップグレードのアナウンスに従ってアップグレード
上記が無料版のACFから有料版のACF PROへの移行方法の流れですが、データベースの更新を行うので、作業を行う前にWordPressのバックアップを推奨します。※一応、トラブル時に復元ができる準備や想定を行なった上、自己責任にてよろしくお願いします。
ACF PROのトラブル事例
ACF PROを使用する際に起こるトラブル事例を紹介します。
サブフィールドが出ない
繰り返しフィールドで設定したサブフィールドが表示されない事例です。
// サブフィールドが表示されないパターン※「sub」が抜けている
<?php if( have_rows('faq') ): ?>
<?php while ( have_rows('faq') ) : the_row(); ?>
<dl>
<dt><?php the_field('question'); ?></dt>
<dd><?php the_field('answer'); ?></dd>
</dl>
<?php endwhile; ?>
<?php endif; ?>
// サブフィールドが正しく表示されるパターン
<?php if( have_rows('faq') ): ?>
<?php while ( have_rows('faq') ) : the_row(); ?>
<dl>
<dt><?php the_sub_field('question'); ?></dt>
<dd><?php the_sub_field('answer'); ?></dd>
</dl>
<?php endwhile; ?>
<?php endif; ?>
表示されないパターンでは、通常のカスタムフィールドを表示する場合に使用する「the_field」と記述しているため表示されません。
繰り返しフィールドを使用し、カスタムフィールドを表示させる場合は、「the_sub_field」で記述しましょう。
値を取得する場合も同様で、通常は「get_field」ですが、繰り返しフィールドでは「get_sub_field」を使用します。
その他ACF、ACF PROに関するトラブルについて
上記のサブフィールドのトラブルに加えて、ACF関連のトラブルについて記事をまとめましたので、ぜひご覧ください。